沖縄本島北部、やんばるの静かな山あいに位置する本部町伊豆味(もとぶちょう・いずみ)。
観光地としてはまだまだ知られていないエリアですが、実はここに、地元民も観光客も足しげく通う行列ができる沖縄そば屋があります。
その名も──伊豆味そば。
「森の中の隠れ家」「古民家で味わう本格そば」といった言葉では表現しきれないほど、訪れる者の五感を満たしてくれる特別な場所です。
今回は、そんな伊豆味そばの魅力をたっぷりとお伝えします。
☆目次☆
緑に囲まれた静かなロケーション
伊豆味そばがあるのは、観光スポットとしても有名な備瀬のフクギ並木や美ら海水族館から車で約20分ほど内陸に入った場所。
観光ルートから少し外れた山あいにあり、ナビがなければ見つけにくいほどの立地です。
とはいえ、その“アクセスの不便さ”が逆に魅力でもあります。
自然豊かなやんばるの森に囲まれ、車を降りた瞬間に聞こえてくるのは風の音と鳥のさえずり。
空気は澄んでいて、街中とはまるで別世界。
「観光地の喧騒から離れて、静かに沖縄を感じたい」
そんな方にはまさにうってつけの場所です。
築50年以上の古民家を改装した店内
店構えは、まるで昔ながらの沖縄の民家。
実際に築50年以上の古民家を丁寧にリノベーションして使っており、外観の木造の柱や瓦屋根はそのまま残されています。
店内に入ると、木の香りとともに広がる落ち着いた空間。
畳の小上がり席、木のぬくもりが感じられるテーブル席──
どこか懐かしく、時間がゆっくり流れるような感覚に包まれます。
まるで「おばあの家」に遊びに来たような安心感があり、
一歩足を踏み入れた瞬間から、心がほぐれていくのがわかります。
職人仕込みの自家製麺、48時間熟成のこだわり
伊豆味そばの一番の特徴といえば、やはり自家製の熟成麺です。
なんとこの麺、48時間以上かけてじっくりと熟成されているとのこと。
もちもち感とつるりとした喉ごしが絶妙なバランスで共存しており、食べていてとにかく気持ちいいんです。スープとの絡みも良く、最後の一口まで飽きがこない。
私はこれまで、県内外で数十軒の沖縄そばを食べてきましたが、正直に言って、伊豆味そばの麺はトップクラス。
「こんな麺が山あいの古民家で味わえるなんて」と驚くこと間違いなしです。
メニューはどれもハズレなし!おすすめは…
伊豆味そばのメニューはシンプルかつ洗練されています。
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伊豆味そば:店の名前を冠した看板メニュー。トッピングは三枚肉とソーキ、昆布などが乗っており、バランスの取れた一杯。
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ソーキそば:軟骨ソーキがとろけるように柔らかく、スープとの相性も抜群。
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三枚肉そば:甘辛く煮込まれた豚肉が絶妙なアクセントに。
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唐人そば:醤油の濃い味が特徴。数量限定なのでお早めに。
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お子様そば:お子さま用にマイルドな味付け。
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素そば:トッピングなしで麺とスープの純粋な味を楽しむ。
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じゅーしー:沖縄風炊き込みご飯。そばとセットで頼みたい一品。
どのメニューも、自家製麺の魅力を引き出す絶妙なバランスで仕上げられています。
看板犬「マクラくん」とのふれあいも楽しみの一つ
伊豆味そばには、ユニークな看板犬・マクラくんがいます。
穏やかな性格で、人に慣れているため、近くにいても安心。
名前の由来はお店の公式Instagram(@izumisoba)で紹介されており、ちょっと笑ってしまうようなエピソードつき。
犬好きな方にはたまらない存在。
特にお子さま連れのご家族には、ちょっとした癒しタイムにもなりそうです。
利用ガイド(2025年7月時点)
項目 | 内容 |
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店名 | 伊豆味そば |
住所 | 沖縄県国頭郡本部町字伊豆味1480 |
営業時間 | 11:00~15:00(※スープがなくなり次第終了) |
定休日 | 土曜・日曜・祝日・年末年始 |
席数 | 約24席(全席禁煙) |
駐車場 | 複数台OK(敷地内にスペースあり) |
支払い方法 | 現金のみ(クレジット・電子マネー不可) |
※時期や混雑状況により変更の可能性もあるため、来店前に公式インスタをチェックするのが確実です。
編集後記:やんばる時間を味わうなら、伊豆味そばへ
観光地を巡るのもいいけれど、その土地の空気をゆっくり吸いながら、地元の味を楽しむ──そんな旅の醍醐味を味わいたいなら、伊豆味そばは本当におすすめです。
古民家の落ち着いた空間で、やんばるの森に耳を傾けながら食べる沖縄そば。
その時間そのものが、何よりのごちそうです。
次のやんばる旅では、ぜひこの「伊豆味そば」で、心とお腹を満たしてみてください。